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紹介状について [つれづれ]

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紹介状の内容と言うものは当然のことではあるがその情報は患者さん個人のものである。よってある医師が持っているその患者のすべての情報はその患者が持ち運びができる権利を持っている。日本で病院を移りたいと言う時半数近くの患者さんが主治医にだまってやってくる。また紹介状をもらってきたとしても内容の薄いものであることが多い。それにはいくつか原因が考えられるが、日本の医療のnegativeな面が浮き彫りになる。すなわち1)診療にかける時間が非常に短いこと2)重要な情報、特に病歴に対する共有的知識があまり浸透していないこと。3)医療費が比較的安いこと4)患者の医学的知識があまりなくて良いと思われていること。5)パターナリズムが未だに存在すること。6)医師の裁量の幅が広いこと。などであろうか。


 


因みに私は、「貴重な症例をご紹介いただきありがとうございます」というセリフまわしがきらいである。患者にとってあなたに診てもらう方がベターを考えたのだから送ったのであって、あなたのためではない。もっと細かく言えば、忙しいだろうところに、仕事を増やしてしまって申し訳ない。あなたがこの患者さんに尽力くしてくれることを祈っている。


まだこの患者を人として知らないだろうし、合うかどうかわからないけれど、症例として興味をもってもらえることが、仕事が増えた分を幾分緩和してくれることと、そのモチベーションが患者にプラスに働くことを願っているよ。とこんなところだろうか。


また、ご紹介ありがとうございました。自体もあまり好きでない、総合診療やっていると特にありがたくない症例の方が多いし、興味あるないはたしかにあるけど、患者を選ぶのはできるかどうかだし、紹介はこちらで診る方がよいとの判断というだけであって、ものをあげたりもらったりではない。


しかしどこかにお礼を書くのが世の常のようなので、せめてもの抵抗で、最初にお世話になっていなくても、ありがとうございます。と書くようにしている。



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