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医療には知らないことが罪であることがある。 [今日話したこと]

医療には知らないことが罪であることがある。

 

10年以上前になるが、20台の女性が脳炎の診断で1年以上痙攣をし続けていた事があった。自分としては、痙攣自体が脳に障害を及ぼすという観点からもっと強く投薬して結果人工呼吸器にすることが唯一の出来ることと考えていたが、主治医は母親と話して、痙攣が続いていることを寛容しつつも諦めないというスタンスを取っていた。ある日神経内科の先生が卵巣はどうなの?と言い出してなんのことかわからなかった。

卵巣腫瘍を摘出後患者は普通に歩いて帰宅したのだ。自分自身は母親に諦めることも選択と話していただけに、退院の挨拶を笑顔で来られたことはとても身にしみたのを覚えている。今や有名になったNMDA脳炎であった。

臨床医の間でああでもないこうでもないと大声で議論されていることは、それが大きな声であるほど、ああでもこうでもあまり大差なかったりする。知っているの知らないのでドラスティックは結果がかわることは、臨床医として絶対し押さえておくべきことであり、しっかりと周知されるべきことでもある。

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