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迷惑な介入 [臨床]

85才の男性が立ち上がったときに意識消失をおこし、レベルが戻らないということで救急車で来院した。来院時はすでに会話ができて、麻痺ももともとの右不全麻痺は確認でき、また左半身は麻痺がなかった。脳内に意識障害を起こすような大きな出来事が(梗塞や出血)おこっているのであれば、来院時にすでに回復に向かうのはおかしい、時間が経つごとに軽快してきているのをみて、てんかんを第1に考えた。(目撃者は痙攣をしていなかったと言っていたがまた脳底部に大きな2cm程もある動脈瘤をもともとフォローされているので、CTで撮影して大きさに変化がないのと、出血してないことを確認して、そのまま入院とした。

翌日外来主治医が患者を訪れ、麻痺がひどくなっている!とのことで頭部MRIを撮影、「いやいや、あたらしい梗塞の経過ではないよ」と思いながらもすこしドキドキした。結局梗塞巣はなさそうであった。脳神経の専門医もMRIをみて問題ないと連絡をしてきてくれたのだが、放射線科から脳幹部の梗塞の疑いがあると連絡。そうみようと思えばそう見えなくもないが、病歴と身体の状態が合わない。しかし神経内科の先生は、「いや、呂律難がひどい、昨日はそんなことなかったと看護師が言っている。」といってMRIを2日後フォローしようという。家族にきくと、彼は調子悪いときは呂律がおかしくなり、調子よいときもなかなか聞き取りにくいとのこと。しかももうすでにリクシアナとクロピトグレルがもともと入っているから、これ以上の投薬は出来ない。本人の本質をずっとみていれば、検査に振り回されることもなく、今日からリハビリを開始できたのに、めんどくさく、迷惑な介入であった。

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反省すべき? [子育て日記]

子供がテーブルに端っこに置いていた1cmほどの」小さな花瓶を落としてしまった。「ごめんね、でもこんなところに置いていたのもわるいから半々だね。」といったら、子供が「そうだよパパと五分五分だよ」などというから、つい「こんなところ置いておく方が悪いんだよ!」と強めに言ってしまった。

 

これは「そうだね、今度から気をつけようね。」が正解なのだろうけど、修行が足らずというか、本当はフィフティーフィフティーと思っていないのみに無理にいい子ぶってふたりとも悪いと最初にいったこという、そもそもの偽善が間違いなのだろうか?

 

今日は今日で「わたしご飯洗ったよ。5時間くらい洗ったよ。」などというから「うそつけ!」といったら「10分」に言い直した。そんな発言が続くから「いい加減なことばかり言っているとだれも信じてくれなくなるよ。」などという正論的なことを言ったが、おそらくこれも正解ではない。

 

つまり自分自身が正解でないのだから、ある意味自分としては正解。どこかで「親ガチャ」を否定したいために自分以上の正解を探すのかもしれないが、どちらがよいのだろうか?これこそINSIDE OUT 自分に目を向けよ背伸びはばれるということだな。



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2022-11-01

今日の出来事

68歳の発熱6日目の人が来た。症状は全くなく悪寒のみであった。ご家族がご飯食べれなくて体重も減ってるんですと心配そうに言うのだが、本人にはそれほど焦燥感はない。

 

これまで基礎疾患はありながらも、普通に生活していたヒトが、ある日突然発熱したこの方をどのように鑑別するかというと、年齢と体重減少だから、悪性腫瘍みたいなことを研修医が言うのだが、それはそうではなく、今治療しないといけないものは何かで鑑別を考える。つまり、抗生剤を使わないと危ないものそれでいて、あまり症状が出ないものは、細菌性の肺炎、心内膜炎、前立腺炎、肝膿瘍などが考えられるというか考えなくてはいけない。北海道に行ったと言うので、ツツガムシの挿し木子を探し、刺し傷を探し温泉に入ったと言うので、レジオネラも鑑別に入れた。

身体所見もどれにも当てはまるようなものはない。だとするとはやりこれらの鑑別は今日否定か導入かしなければならない。

 

肝膿瘍は造影CTか腹部エコーで大体診断がつくので、侵襲の少ない腹部エコー、レントゲン、採血血液培養まではまず行う。

。採血結果は肝機能の上昇だがLDHも600台までに上がっていて、エコーでは肝臓や動脈周囲のリンパ節が結構腫れていると言うことで、悪性リンパ腫も鑑別に入れざるをえなくなったわけだが、そうこうしているうちに検査を小出しにしていたため、もう 3時頃になり、それから自分の入院患者のエコーすると、胸水がmassiveにあったため、そちらも遅れ遅れになってしまった。

 

少なくともエコーは先に入れといてもよかったのだが、まぁそれだけのタイムロスであったこともあり、入院患者は時間外に入ってからチェストチューブを入れないといけないかもしれないような状態になった。もちろん最初から造影CTを撮ったりはしないのだが、そして検査を小出しにして、必要なら次に進むスタイルは、最低限の検査で診断をするというものだが、そしてその自分の考え方が間違っていたとも思えないが、果たして単純CTを撮ってそれでわからなければ、患者さん元気なら次でいいんじゃない。という診療が日常行われている病院に受け入れられるかそれは不安である。結果として、外来患者の検査に時間がかかったためチェストチューブを時間外に入れるなんて、もってのほかというタブーを犯さないけないような状態に陥ってしまったという事実は余裕で批判の対象となるのである。

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