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2022-11-01

今日の出来事

68歳の発熱6日目の人が来た。症状は全くなく悪寒のみであった。ご家族がご飯食べれなくて体重も減ってるんですと心配そうに言うのだが、本人にはそれほど焦燥感はない。

 

これまで基礎疾患はありながらも、普通に生活していたヒトが、ある日突然発熱したこの方をどのように鑑別するかというと、年齢と体重減少だから、悪性腫瘍みたいなことを研修医が言うのだが、それはそうではなく、今治療しないといけないものは何かで鑑別を考える。つまり、抗生剤を使わないと危ないものそれでいて、あまり症状が出ないものは、細菌性の肺炎、心内膜炎、前立腺炎、肝膿瘍などが考えられるというか考えなくてはいけない。北海道に行ったと言うので、ツツガムシの挿し木子を探し、刺し傷を探し温泉に入ったと言うので、レジオネラも鑑別に入れた。

身体所見もどれにも当てはまるようなものはない。だとするとはやりこれらの鑑別は今日否定か導入かしなければならない。

 

肝膿瘍は造影CTか腹部エコーで大体診断がつくので、侵襲の少ない腹部エコー、レントゲン、採血血液培養まではまず行う。

。採血結果は肝機能の上昇だがLDHも600台までに上がっていて、エコーでは肝臓や動脈周囲のリンパ節が結構腫れていると言うことで、悪性リンパ腫も鑑別に入れざるをえなくなったわけだが、そうこうしているうちに検査を小出しにしていたため、もう 3時頃になり、それから自分の入院患者のエコーすると、胸水がmassiveにあったため、そちらも遅れ遅れになってしまった。

 

少なくともエコーは先に入れといてもよかったのだが、まぁそれだけのタイムロスであったこともあり、入院患者は時間外に入ってからチェストチューブを入れないといけないかもしれないような状態になった。もちろん最初から造影CTを撮ったりはしないのだが、そして検査を小出しにして、必要なら次に進むスタイルは、最低限の検査で診断をするというものだが、そしてその自分の考え方が間違っていたとも思えないが、果たして単純CTを撮ってそれでわからなければ、患者さん元気なら次でいいんじゃない。という診療が日常行われている病院に受け入れられるかそれは不安である。結果として、外来患者の検査に時間がかかったためチェストチューブを時間外に入れるなんて、もってのほかというタブーを犯さないけないような状態に陥ってしまったという事実は余裕で批判の対象となるのである。

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