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団体は、、、 [つれづれ]

団体はやはり怖い。

ある日、クリニックの先生からひどい認知症の人の入院を頼まれた。

入院4日目に外来中に病棟より電話がかかってきて、「暴れてどうにもなりませんなんとかしてください」と強い口調。指示を出すと、そんなのできません。いくつかの提案にやっと乗ってくれたのはよいが、外来合間にみに行ったところ、患者のもとに自分が着くやいなや45人いた看護師は全員どこかへ行ってしまった。投薬で落ち着いた患者と自分は普通に会話をしたのだが、その後の病棟の雰囲気は険悪で、そこにいる看護師20人ほどを全員から敵視されている感じだった。1人の代表が自分の提案をことごとく文句をつけて大きな声でなじるように吐き捨て、周囲の者達はニヤニヤしてみている。

 

確かに自分が入院させて主治医になっている患者だが、なにも彼女の認知症は自分のせいではない。でも1人の統率者のおかげで看護師がうけたネガティブな感情は患者本人やそれを送ってきた主治医や家族などから主治医に変換させることに成功しているようだった。

一昔前の自分なら患者どころか彼ら看護師のその意思統率のやり方を憎み、そのリーダーを憎み、自分の冤罪を主張していただろう。

しかし、敵同士であることが決定づけられてしまった今、何をどう叫んでも、この状況を変えることはできない。

虎穴にいらずんばとはいうが、懐になんとか飛び込み、向こう側に入っていかない限りなんの主張もすべて逆効果、患者自身へも悪影響が及ぶことはオクバセナガラ学んできたつもり。結局自分は翌朝は早めに(先導者が少ないうちに)病棟行き、直立で大きな声で「〇〇さんのことでごめいわくおかけしております!」で始める作戦を考えた。

ニヤニヤは普通のわらいに変わり、初めてこの患者さんについてのディスカッションができた。自分はあなた側ですよ、患者さんの面倒なところなんとかしないといけないよねー。すみませんねーと半分しか思っていないことから潜り込むことに成功したと思い、我ながらと大人になったじぶんを褒めてあげたい今日の自分であった。

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