友の死 [つれづれ]
人はいずれ死ぬ。その人間にはどうしようもできない現実を現実として受け止めることができずに人は祈るのかもしれない。祈ってもどうにもならないことがわかっているのに祈らざるを得ないのかもしれない。
限られた存在の中で一体何があったのか、何の意味があったのか。歳をとって関わり合いの深い人をなくし始めるとその関わり合いこそがいかに大切なものでそれをないがしろにしていた自分に気づく。
その人が自分にとってプラスとかマイナスとか考えずに付き合えた人のかけがえに気づかず、目の前の命の責任に心を奪われるつづけていたが、今考えるとあれはある種、逃避的な行為だったのかもしれない。
しかもその事は大切にすればよかったとかではなくその存在自体をありがたく思うだけでよかったのに、それすらなかったのだ。