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患者中心などと [医療]

患者中心などと一言で言っても問題はそれほど単純ではない。ただ、いくつかのカテゴリーに分けて考えることはできる。その一つとしておそらく自分に特徴的なジレンマがある。それは、「今やるか経過みるか問題」である。

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診療をしていて一番簡単なのは、思いついたことを全部できるだけ早くやってしまうことである。しかし全てをすぐやることはいろいろな問題を起こしうるし、それが患者にとって、そして一緒に働くヒトにとってプラスばかりに働くとは限らない。マイナスになるひとのどちらに重きを置くか問題はまた別の問題であるが、やはりなんといってもそのための仕事だから患者にマイナスを与えるようではいけない。

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例えばCT検査を行うことによて発生しうる癌の発生率の上昇は常に見逃されている。それなのに痛い以外に大きなマイナスのない血液培養などは容易に省略される。もし、病院に血液培養採取専門のヒトがいればおそらく省略されることはないだろう。実際医師が血液培養を採取する決まりの病院と、看護師がそれを行う病院ではあきらかに血液培養の省略率が違うのである。

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抗菌薬に関してもそうである。80%風邪と思っている時に抗菌薬を出さずに20%のリスクを採るという行為をためらう医師が時々あるようだが、実際はよくわからないものに適当に抗菌薬をあてがうことはよりリスクを増やしているのである。

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本当に今やるべきことが何かを見極めることはむずかしい。それは+とのどちらをも考えて、患者にとって良い方法を選ぶということであるが、専門的な検査疾患の価値観と救急医療から入る若い医師たちはそのジレンマを考えることから遠ざけられるような環境で働いているように思える。

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