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患者中心とは? [臨床]

脱水で入院したが家族が手続きをしてくれないために退院先が決まらない寝たきりの患者がいる。ほとんど言葉を発することなく動くことも出来ないヒトだ。施設はこれ以上みきれないということで送ってきた感あり、帰宅先を探すための入院というニュアンスの入院だった。

入院後70日程立った時、初めて不穏なので不穏指示に従ってリスパダール(液)を投与したと、記事があったが、当直の研修医をコールして自分のだした0.5包を1.0包に変更して出したらしい。0.5が効果ないということを経験した訳でもない。その後カルテのメモに「指示を1.0に変えてもよろしいか?」とあったので「直接相談してください」と答えた。少ない量で効果があるならそれにこしたことはないと考える自分とどうせ投与するならば、ちゃんと効いた方がよいという、考え方の違いなのかと思っていた。

カンファレンスの時にもその話題はでなかったのだが、その後に他の看護師からコールがあってリスパダール(液)は1.0包で出されたことなどありませんん。だから1.0包にしてください。という内容だった。少なくて効くならそれでいいのでは?といってもむしろ高圧的。0.5で出すのは間違っているという確固たる決まりでもあるかのような口ぶりだった。「そもそも本当に不穏だったのか?不眠なだけではないのか?そんなものに向精神薬を出すこと自体が問題では?」という言葉をのみこみながらよくよく話しをきくと「一度シリンジですわないといけないので大変なのです。」という意見。落ち着かずに暴れているようなヒトにタブレットなど飲めないから液体を出したという発想の自分は大体でいいよというと「それば出来ません。」と最後はけんか腰であった。

しょうがないのでリスパダールは錠剤にして半錠だめなら1Tでその後も1T、そして副作用の強い薬を避ける目的でベルソムラを定期でだすことにした。実際眠れないのは70日目で初めてだったのだが、いたしかたない。おそらく看護師軍団は私たちの仕事を守るためにお願いしますと言うわけでないという自分の個人的な感情もあるが、液のリスパダールを半包なんて完全に間違った処方であるとほとんどのヒトが意見統一しているなかで、自分の意見などとおるはずもなく、自分にできる最大限の抵抗であった。確かに自分達は自分達の仕事と患者の利益の両方を天秤にかけながら仕事をしている部分がある。自分達の利益を優先することは「戦争賛成」と高らかに叫ぶ人に似ていてキライだ。

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