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医療をしよう [医療]

病院を困らせるために来院する患者はいない。でも素行が悪いところを見せると、悪い患者のレッテルを貼られ、その内容は伝搬されるたびに医療者と患者の距離を離していく。

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(うまい!)

抗精神薬と、安定剤を30日ごとに処方されている人がいた。

そのたびに主治医が代わり、投薬は漫然と行われているように思えた。患者さんもおそらく30日ごとに薬を取りにくるような感覚になっていた。そんなことが1年以上も続き、これはもはや医療ではなくなっていた。ときおりこれではいけないという提言があったようだが、患者さんは今までこれで許されていたのに何故だと納得がいかないとのこ報告であった。自分は師長に相談した。なんとかしないといけないと。師長は外来に降りてきたばかりで、この様子に驚き快くひきうけてくれた。そして、次の次の外来日、患者さんにお会いした。今までがそうだったように、正直怒鳴られるかと思い少しビクビクしながらも患者さんの利益をのみ考えて、本人が悪い気持ちがするはずがない、と思い聞かせて対応することした。それより今まで行われたことを否定してよいものかというところが気がかりであったが、そこはまったく避けては通れないと感じていた。

患者さんは結構、かなりガラが悪いと言っては失礼だが、そう言う面持ちだった。お会いする前にあれこれ注文をつけたわりに感情の高ぶりはなく、自分も淡々とそしてしっかりとなにがいけないのかどうするべきなのかを説明した。

「この薬は麻薬のようなものでずっと使っていると効かなくなってくるし、その上なしではいられなくなります。」他の薬に替えていくなりの薬の調整が必要ですが、来院される時間が決まっていないと主治医が決まらないのでそれが不可能になっています。まず、主治医を固定することから始めましょう」患者さんはでも今まではこういう契約だったと主張するもたしかに効きにくくなっている。と納得。めでたくこれからは予約通りの時間に来院してくれることになった。そばにいた師長も安堵の色を隠せなかった。

病院を困らせるために来院する患者はいない。でも素行が悪いところを見せると、悪い患者のレッテルを貼られ、その内容は伝搬されるたびに医療者と患者の距離を離していく。そうやって腫れ物に触るような診療ともいえない諦めににた薬供給が行われていたようだ。たったの一歩あちら側に入り込むだけで、物事は回り始める。医療は結構楽な立場で仕事ができる場なのだ。



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