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ペラグラ [つれづれ]

ペラグラがトウモロコシを主食にしている人たちの間で流行したことは知っていたが、どのようにその原因を突き止めたかに興味がある。

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 ペラグラの発見された経緯が大変興味深い。スペインが中部アメリカに進出したとき、そこからトウモロコシを持ち帰った。それがヨーロッパで広がった訳だが、トウモロコシが原因で多くの人が死ぬことになった。その時は誰もトウモロコシが原因とは思わなかった。なぜなら同じように食している人も発症していない人がたくさんいたからだ。病気は特に貧民層に多く、多くの医師が感染症と考えて、対策を考えていた。この時果たしてこのひどい日光過敏、認知症、下痢そして死に至る病院とトウモロコシの関連を見抜けることがなぜできたのであろうか?もし疑ったとしてもトウモロコシを主食としている中南米ではこのような疾患はあまり見られないにも関わらず、関連付けて考えられる人がその時いたのだから驚きである。感染症でなさそうな理由は?発熱していない?全く移らない人がいる?ゲーテはその貧しい生活から食事が原因ではないかと言っていたらしいが、その直感は当たっていたことになる。トウモロコシがヨーロッパで生産されるようになったのは18世紀ごろ、ゲーテが訪れたのもこの頃であるが、原因が究明されたのは1929年である。

原因はナイアシンの欠乏であるが、

中南米のトルティーアと

ヨーロッパのポレンタの製法の違いがナイアシンの吸収の違いを作っているのだ。

またナイアシンのもとになるトリプトファンの摂取不足は変換するためのB6などのビタミン不足もペラグラの発生に拍車をかけることになる。

果たして、ジョセフ・ゴールドバーグはどんな視点でこの病気を見つめていたのだろうか?広がり方が感染症のそれとは違う?貧困から立ち直った人が治った例を見た?ハートナップ病を知っていたら、遺伝で発症年齢が違うだけとは思わなかったのだろうか?トウモロコシが導入されてからこの疾患が起こり始めた、なんて大きな視点は神様でないと取れないのではないだろうか?文献によると彼は 1)ペラグラ患者が多い施設で、看護婦や世話人に病例が見られたことはない 2)この病気は地域に特有である 3)これは貧乏と関係し、言い換えると動物性食品の欠乏と関係する、ことを指摘したらしい.

また、中米の人はなぜトウモロコシをいちど石灰や木灰でアク抜きをしていたらしいが、それは美味しいからであろうか?それてもそれをしないと病気になると知っていたからだろうか?


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