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腹痛勉強法2 [臨床]

 


腹痛勉強法2

腹痛の診断の切り口は5つ。1)急ぐやつを見つける。2)急がなくても治療が必要なものを見つける。3)なんでもないやつのフォロー。4)腹痛で鑑別に挙がらないようなものを想像する。5)腹痛以外の情報がメインの腹痛疾患を考える。

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(今朝だけどどこだっけ?)

 

1)緊急性と2)予後 を混同してはならない。特に検査に閾値に関しては2)に1)ほどに検査の閾値を下げる必要はなく、時間軸が解決してくれることがあり、結果的にその方が患者的に侵襲の強い検査が避けられ、医療経済的にも正解と考える。

逆に致死的な疾患は否定できない限りは検査を行うし、その際はできるだけ感度の高いものを選択するということである。否定出来ないという言葉は非常に難しいが、自分としては、一生かけて飛行機事故にあわないくらいであれば否定でよいのではと考えている。

 

例えば、60歳男性突然発症の腹痛。心房細動はないが激しく痛がっている。単純CTを撮ったらsmaller SMVsignがあったのでSMA塞栓と診断がついたではいけない。造影CTにくらべ単純CTはSMA塞栓に対して格段に感度が低いからだ。

 

SMA塞栓がを否定するなら、単純+造影CTをするか、しなくても否定できるか。である。病歴が非常にそれらしいのならCT後も否定できないかもしれない。

自分は常に病歴身体所見で診断を絞り込むことを勧めているが、4)、5)のような落とし穴にはまることがある。他の主訴で考えてみる。というOpen mindは必要で、普通じゃない?と思ったときには引き返すことを試してみるのもよいが、闇雲に鑑別を広げてパニックになるのではなく、ある程度の道筋をパール的につけておき、マニュアル的に思考を進めるとよい。

たとえば、下肺野の病変は腹痛でくることがある。腹痛でも吸気時に痛みが強いなら肺病変かもしれない。心電図だけでMIと思ったら頭部の病変かもしれない。など、、

 

これらの思考の展開はオッカムヒッカムに少し似ているが。基本的にはオッカム的に考えどうしてもダメならば多元的考えるようにするとよい。

(これらは腹痛に限らず全ての鑑別に通じることである。)

では結局いちばん難しいのは3)かもしれないしもっとも意見が分かれるところかもしれない。

疑ったものの検査まで施行するのか?時間軸をとって炙り出すか収束を待つのかそこは、それこそ医師の技量、裁量の問題となる。

こんなものにマニュアルは存在しない。ある程度のマニュアル的なものを個人で作成することはできるかもしれないが、全ての患者に同じように使用することは出来ず、他の医療者へ流用もできないだろう。


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