総合監視システム [医療]
20年ほど前のことだが、沖縄県立病院救急外来でウィルス性髄膜炎と診断した人がいた。
LPをせず、診断名を告げて帰宅させたが、その診断名を他の人が聞いてびっくりしてまた救急外来を受診。研修医にLPをされて入院となった。ウィルス性髄膜炎だった。
研修医は得意げに自分に「誤診でしたね。」的を事を言ったが、どこが間違っていたのだろうか? 今考えるとと説明の問題で帰宅後にどうなるかという想像力が働かなかったのがいけなかったのだが、実際は入院の必要もないほどの軽症であったし今でもLPの必要もなかったと思っている。
つまりは、あのころの県立病院の相互監視システムの1つの弊害と考えている。
指摘したもの勝ちというやつである。なるほど、これにより常にピュアプレッシャーにさらされ、病院全体がしまり、レベルもアップする。上級医はどれだけ至適できるかがその価値を決められるようであり、下手すると重箱のつつき合いになる。まだ自分も若かったが、患者への影響のたいしてないところでのつつき合いは、あまり意味を感じなかったし、下手をすると、患者に与えるマイナス面が無視されて積極性のみ優遇されてしまう危険性をいつも感じていた。他の医師のやることには干渉しないというやり方よりはずっとよいとは思うのだが、ではどうするのがよい病院、よい医療を作るのか、いまだ模索中である。
2020-12-01 20:14
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