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診療の決断は常にトレードオフ [臨床]

診療は常にトレードオフである。 今日の勉強会症例は 5例の同じ病名の症例。それぞれ患者や設定を変えて、それぞれの検査をどのように決断するかというもの。 ○○ならば△△などという検査施行の決断をしているとシチュエーションが変わった時に対応できない。常に自分の基準をもってリスクとベネフィットを天秤にかけそれでいて患者の意見も聞いて考えるのである。その決断に際して客観的なデーターやエビデンス、それから患者サイドの考えの割合をその症例ごとに割り当てて考えるのである。 つまり知識やデータも診療にするに際して、参考データのひとつ以上にはなり得ないということである。 もちろん知識は大切。深い知識と多くのデータがあればあるほど正しい診療に近づくのである、ただし、正しいに近づくのであって正しい診療を施行できるということではない。データがむしろ診療を混乱させることもあるし、そのために患者に害を及ぼすことも十分に考慮しなくてはならない。 そして、患者が人間で、自分も周囲の同僚も人間であることは診断や治療においても重要なファクターであり、その中で健康を目標とするからには、その目標自体すらも明確にしなければ危うく見失うのである。 そのあたり正しい診療を追い求めることをメインに頑張っている若い医師達にはぬるいように感じるかもしれないが診療とはそういうあいまいなものであることを受け入れる覚悟が医療者には必要だと思うし、そうでないと「幸せ」を与えることができないのではないだろうか。

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