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帰宅困難な患者 [医療]

帰宅困難な患者を帰宅させるとき、どこまでやって帰ったときの状態をどこまで良くするかということを、治療が終われば早く返すと言う事よりも優先するということは、自明の理だと考えていた。

ところがそうでもないようである。83歳でパーキンソンほぼターミナルに近いような状況ではあったが、まだコミニケーションは取れて自分の意思も伝えることができた。病院での全体の雰囲気は抹消が取れなければCV。帰宅が難しければ食事が取れなければCVポートを作って、そのまま返すというのが常識となっているように思えた。パーキンソンで経口薬がマックスに入っている人にもそういう波は押し寄せてきて、胃瘻を作ろうという自分に、最初からかなりの抵抗と圧力が感じるられ、何度説明しても時々同じ質問を感情入りでぶつけられ、そのたびになぜ胃瘻の方がよいかの説明をした。

入院87日で初めてちゃんとしたカンファレンスを開き4分割法を使って話し合った結果は基本的には平行線であったと思う。なんでもっと早くしなかったか早くをしなかった理由は胆嚢炎を繰り返していたからであって胃瘻を選択したからではない。しかしなぜ早くCVポートを作らなかったかの意見がおおまかを占めているのは今も変わりなかった。

 

会話ができて1ヵ月生きるのと、できなくなって3ヶ月家にいるのと前者の方が良いのではないか?と言うとそれは医療側の意見であって患者の意向を無視していると言われた。ではこの質問したらと言うと、それは誘導になるのではと言われた。こんなどちらがよいか自明の理を患者が望まないかもしれないから誘導してはいけない。というなかにもうこれ以上は病院いられらない、いてもらっても病院の利益にならないというシステムとゆがみと、ある意味急性期病院のおごりであると自分は考える。

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