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どこまでがやりすぎだろうか? [つれづれ]

よくわからない時は全身身体所見を取るべきだろうか?それともCTとか画像で確実に抑えるべきであろうか?そんな迷いが生じた診療であった。

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動悸で訪れた人69歳痩せ型の女性で背が高く細長いお顔はお上品な感じだった。主訴は心臓を感じる。


半年ほど前からなんとなくずっと心臓を感じる。早く感じるというよりはつよく感じる。いつ始まっていつ終わるという訳ではない。体重は1年で5kgほど減少した。


来院時のHRは110であり心電図はNSR。汗はかかない、下痢も便秘もしていない。甲状腺は少し大きめbruitはない。焦燥感はない。


ストレッサーは特に思い当たらない。


夫と二人暮らしで娘と息子はすでに独立して近くに住んでいる。


心音、呼吸音は問題なかった。


典型的ではないが甲状腺かな?それ以外の鑑別は特になかった。採血は正常だが、健康診断を受けていないとのことで撮った胸部のレントゲンはまん丸の転移が多数あった。


それを見たあとでお腹を触ると右の季肋部に硬いものを触れた。超音波で腎癌だった。たしかにcanon ballのような転移。それよりも肺に転移がなかったかレントゲンをとらなかったら、見逃していたことになる。お腹をしっかりと触ってそれでいて見つからなかったのならばしょうがないが、主訴からは思いもよらぬような展開であった。


基本的に病歴で鑑別に上がったものの身体所見をとっているわけだが、


よくわからない時は全身身体所見を取るべきだろうか?それともCTとか画像で確実に抑えるべきであろうか?


そんな迷いが生じた診療であった。


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