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出せなかった手紙 [つれづれ]


私は、日本に卒後教育で最も欠けているのはpatient fastの思考だと考えています。これはジェネラリズムの問題だけではありません。それは日本の医療のシステム自体にも言えることなのかも知れません。つまり、patient fast の保険制度のために、増加した医療者の負担から、医療者は時として、患者(もしくは使命)より自分の仕事を守ることが許される風潮になっています。いわゆる“たらいまわし”はその氷山に一角です。国は指導力がなく、医師会は開業医をまもり、医療費の増加による制限で病院の上層部も従業員を守れないのです。SMCにもそんな雰囲気が溢れています。


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そんななかで自分が一番伝えたいことが伝えられる方法がどうしても思いつかず、日々悩んでいます。これはおそらく20年来のなやみなのですが、私も若かったし家族もいなかった(を犠牲することを厭わなかった)ので自分の身を粉にすることでそれを伝えてきたつもりです。
なので今大切な家族がいて、就学前の大切な時期に離れた病院勤務で、どこまでなにが出来るのか? 非常に悩んでおります。
SMCでの人間関係ですが良好に保つためには、期待通りのことをすればよいのだと思います。すなわち他に医師がみたくない患者をすべて快く受け入れる。これは簡単なようで、JSの方々のプライドを傷つけ、うまくまとめられなくなるかもしれません。武器を持たないために西洋諸国のいいようにされたアラブの国のようになることが彼らに受け入れられないかもしれません。また、自分の主義のために自分たちは利用されたと考える人もいるかもしれません。そういうわけでここアラビア半島では、大砲くらいは持っておかなえればならないかと、少し入院割り振りについて上層部と話しましたが、案の定小銃で撃たれました。
以前からお伝えしておりますが、Queens  Hpように330人の入院患者に50人以上でのホスピタリストがいて(全てをまかなうわけではないと聞きました)隔週で休みがあるという環境を上層部が作ってくれるような我々からすればパラダイスのような世界をご存知の先生からみれば、私たちの悩みは理解し難いものかもしれません。
長々と書いてしまいましたが、私は銃をとって、彼らを守るべきなのか、丸腰をむしろ楽しむ方法を探るのかその中間にある多くの可能性を模索しているところです。

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