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わかっていたようで、確信のなかった疑問シリーズ [アツギマニュアル]

ジャーナルクラブ
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鎌倉からまたまた若い力が、来院!老兵のわたしも刺激されます。

70台の女性前回半年前に脳梗塞で入院,アスピリン100mg投与していたが,今回また起こしてしまった.
次回の梗塞予防投与としては何を選択すべきか?

※今日のグラム染色すばらしい喀痰でした。

この問題は大きく分けて,
1 アテローム硬化による脳梗塞のレベルもしくは,リスク,何度繰り返したによって予防薬の使い分けがあるのか?
2 抗血小板治療を強化すべきか?しても意味がないか? (doseを増やすのか,薬を変えるのか,併用薬を加えるのか,強化した時に副作用がどの程度増強するか?)

そもそもバイアスピリン100mgという使い方でよいのか?
もしもっと予防効果の強い薬を使っても副作用の面で有意差がないのであれば,最初からその方法をとるべきだったということになる


では再発した場合にはどうするべきか?(強化するべきか?)という疑問にたいしてPubMedにて検索したところ,ピッタリくるような報告が一つだけひっかかった.
Current  Treatment  Neurology  2009  Nov;11(6)のAntiplatelet therapy for preventiion  of  reccurrent  stroke
しかしこの文献では、単に選択すべきもの、併用の意味など一般論が書かれているに過ぎなかった。
1)単剤での比較
アスピリン低容量 vsアスピリン高容量 75mg以下
ATC(Antiplatlet Trialists Collaboration BMJ 2002;324)によると、75-150mgと150-325mgをフラシボとくらべても、また75mg以下と以上を直接比べても、イベントのリスク軽減は変わらず、他 DutchTIA Trial やESPS-2 などでも同等の結果が得られている。
日本では100mg錠がメイン それより少なくても十分効果はあるよう。
では出血などのリスクについてはどうだろうか? Am JMed 2006;119 Systemic reviewによると、high dose (162以上)でもlow dose(75-162) でも出血のリスクはかわらないとのこと。しかもそれは0.13-0.03%程度。
となるとすこし慣習的な部分もあるがバイアス100mgは不動と考えてよい。
アスピリン vs クロピドグレル (CAPRIE study Lancet 1996;348)
少なくとも死亡率に関してはクロビドグレル単剤の方がアスピリンより勝っているという結果であった。(5.3 versus 5.8 percent annually, relative risk reduction 8.7 percent, 95% CI 0.3-16.5 percent)

クロビドグレル vs アスピリン+クロピドグレル(MATCH trial Lanct 2004;35)
アスピリン+クロピドグレルはクロピドグレル単剤に対し効果が変わらなかったうえに致命的な出血のリスクが高くなるという結果であった。
これと同じような結果が CHARISMA でも立証されいてる (NEJM 2006;354)
ジピリダモール ESPS-2 trial では200mgのERーDPを1日2回単独とアスピリン25mg1日2回単独がフラセボと比較して優っているという結果でありこの二つの同時投与がもっとも優れていた。
 (OR 0.59, 95% CI 0.48-0.73).

結論としては、やはりファーストチョイスはバイアスピリン100mg
リスクが高いか、、再発の場合はジピリダモールを加えるか、クロビドグレルに変える。(ジピリダモールは頭痛が高頻度であったり、IHDのリスクを増やしたりするのと保険適応の関係から使いにくい)と考えると今流れ的にもクロピドグレルというのが結論。

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