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第8回Fukaya到達度テスト [アツギマニュアル]

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急性喉頭蓋炎 山本先生が多くの教科書から作ってくれました。ちょっと難しいかも、、、

1. 急性喉頭蓋炎の頻度につて述べよ。
2. 急性喉頭蓋炎の原因について、感染性とその他についてそれぞれ述べよ。
3. 急性喉頭蓋炎を確定診断するにはどうしたらよいか述べよ。
4. 急性喉頭蓋炎を外来でrule inするために必要なことは何か。
5. 小児において、クループとの鑑別点を述べよ。
6. 急性喉頭蓋炎のマネジメントで最も重要な事について、小児と成人での対処の違いとその理由を述べよ。
7. 急性喉頭蓋炎で用いる抗菌薬について、empiricに何の菌をカバーするために何を用いるか述べよ。

○ 1問1答
1. Striderがなければ喉頭蓋炎は否定的である。
2. 喉頭蓋炎の小児は、仰臥位安静を保つべきである。
3. 嚥下困難・嗄声・咽頭発赤のない咽頭痛は、全例喉頭蓋を観察するべきである。
4. 喉頭蓋炎の検査前確率が高い場合、診断のために頚部軟線X線撮影を行うべきである。
5. 喉頭蓋炎の検査全確率が低い場合、除外のために頚部軟線X線撮影を行うべきである。
6. 成人の急性喉頭蓋炎は全例挿管するべきである。
7. 喉頭蓋炎を疑われた小児は、全例手術室で麻酔下に挿管/気切準備をされた上で喉頭観察されるべきである。
8. 急性喉頭蓋炎に対してステロイドを積極的に用いるべきである。
9. 急性喉頭蓋炎を疑われた小児は、舌根まで確実に舌圧子を挿入し、詳細に咽頭を観察されるべきである。
 疫学

•過去の典型例
•2-4歳で6-12時間の発熱で受診する。易刺激性、発声困難、嚥下困難。
Hibワクチンにより激減し、咽頭痛で受診する成人が多くなった。
•小児は10万人に0.6-0.78人。成人は10万人に2-3人。
•成人例
•2:1で男性に多く、季節性はない。病前は健康な方が多い。22%は以前にも
同様の症状を起こした事があり、44%は中咽頭に所見がある(すなわち喉頭蓋の診
察が省略される恐れがある!)
•Mayo-Smithらは成人死亡率(3.2%)は小児死亡率(2.2%)よりも高いと
指摘している。逆に、成人(3.7%)は小児(4.5%)よりも気道閉塞症状が少ない。
これは、成人の喉頭蓋炎には2種類あり、1つはH.influenzaeによる症状の強いタイ
プ、もう1つは他の病因による症状の緩徐なタイプがあり、気道閉塞なくとも成人で
も厳重な管理が必要である事を示唆。

○病因論

•起炎菌 
•小児(Hemophils influenzae type b)、
•成人(H.influenzae, Str.pneumoniae, S.aureus)
•小児の殆どがHib、成人の26% (3-14%) までHib。
•他の菌
• Non Hib H. influenzae eg. types A and F. Hemophils parainfluenzae,
MSSA, MRSA, β溶連菌Group A, B, C, F, G.
•compromisedではPseudomonas aeruginosa, Candida.

感染症以外の原因
化学的要因:腐敗物の摂食、プールの消毒の塩素、GERD
•物理的要因:熱湯摂取・吸入、違法薬剤使用、指をいれる、ラリンゲル
マスク、扁桃切除の合併症
•その他:喉頭蓋嚢胞、アレルギー反応、血管浮腫、喉頭リンパ管腫
○診断 severe sore throatをみたら、喉頭蓋の診察を忘れずに!

•クループとの鑑別がしばしば問題になる。
1.クループに特徴的な犬吠様咳嗽は喉頭蓋炎では聴取されにくい。
2.クループでは上気道炎症状が先攻し、緩徐に進行する事が多い。
3.クループは3ヶ月から3歳と若めに多い。(喉頭蓋炎は2歳から4歳、3歳
〜10歳という報告も)。

F 到達度テスト まとめ編

急性喉頭蓋炎
4.クループは横になって眠れるし、よだれはたらさない。
5.クループは当然、Epiglottisは正常。Subglottic obstructionのため。

○History & Physical

• 嚥下痛、呼吸困難、発熱、発声困難、嗄声、前傾姿勢、口腔内分泌物、
ストライダー、sniffing posture

○頚部X線写真

•感度 33%、特異度 44%。頚部X線で喉頭蓋腫脹所見なくとも、喉頭蓋
炎は否定できない。Mandelによると写真は感度最低3%との報告あり、偽陽性が
30%との報告もあり。Clinical usefulness is limited.と。頚部X線で27%は喉頭蓋炎と
誤診(over evaluationが許容されるべきだが)される


○CT
CTはmay also be usefulと、Mandel.

○確定診断

•cherry redの喉頭蓋を目で見る事。
 無症状から30分で気道閉塞になるほど、急速に進む例がある。
 25%に肺炎が合併する。
○治療
• 小児は即、挿管。経過観察で死亡率は25%になり、80%が閉塞に陥る。
UPTODATEも6歳以下は挿管。小児は、急速に気道狭窄が進行するリスクが高い。
刺激/痛み/興奮させる事を避ける。緊急時に即対応できる環境におくべき。喉頭
蓋炎はしばしば視診で見えるが、小児では観察してはならない。臥位にしてもなら
ない。Operating roomにて全麻して、気管支鏡/喉頭ファイバーで確認するほうが
安全。Cherry redを確認したら、カフなしチューブを挿管。通常喉頭蓋腫脹あって
も挿管困難なことはないが、cricothyrotomyも緊急で考慮される事あり。
•成人は、経過観察可能で、挿管必要ない事も多いが、厳重な経過観察
を。
※Mayo-Smithらの報告では、220人の成人喉頭蓋炎のうち、7人がartificial
airwayを必要とした。その7人のうち、3人が死亡した。頻度は決して高くはない
が、気道管理を必要とする症例は致死率が高く、経過観察は慎重を期すと結論され
ている。呼吸困難のある患者は早めの挿管を考慮すべし。

•挿管した後、血培・喉頭蓋擦過培養。
○抗菌薬
小児はH.influenzae狙い(20%とも言われる、ampicillin-resistant
H.influenzaeもカバーし)CTX (50-180 mg/kg/dayを分4) or CTRX (80-100 mg/kg/
day分2)または ABPC/SBT (200-300 mg/kg/day ampicillin分4)。
•成人は、CTRX (1-2 g/day)、CTX (2 g q6hrs)。MRSAの時はVCM (小児
30-40 mg/kg/day分2、成人 2g分2-4)。ペニシリンアレルギーではST合剤か、キノロ
ン。
• UPTODATEでは、MSSA/MRSAカバーのため、CTX/CTRXに、VCMか
CLDMを加える事を推奨。
 ネブライザーのボスミン・ステロイドは効果がない。
  IVステロイドはcontroversial.ルーチンには推奨しないが、数日の適切な抗生剤加
療にも関わらず抜管困難であれば有用かもしれない。直接的なEvidenceはない
mandel.
Hibワクチンで99%以上予防できるので、ワクチンをうつべし。
  小児では12から48時間後に軽快傾向に転じる。抗生剤は7-10日継続す

  家族にはリファンピシン予防投与 (20mg/kg/day max 600 mg)も考慮、

参考

内科学 医学書院
PRINCIPLES AND PRACTICE OF INFECTIOUS DISEASES, Mandell,
Douglas, and Bennettt’s
UPTODATE Epiglottitis

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