腎盂腎炎なんだろうな〜 [指導日記]
90才女性
【主訴】起立・歩行困難
【現病歴】普段は杖歩行できていた。
1/30 16時 デイサービスから帰宅するも特に問題なかったとのこと。
1/30 16時 デイサービスから帰宅するも特に問題なかったとのこと。
19時 食事摂取量低下あり、また食後も立てなくなり、横になったままだった。起こしてくれというが、起こせなかったが経過観察した。
1/31 起床後も症状継続するため救急受診
最近は転倒が多くなってきたとのこと。食事、水分はとれてる様子。
ROS:(-)頭痛、咳嗽、喀痰、咽頭痛、腹痛、下痢 (+)尿量増加
1/31 起床後も症状継続するため救急受診
最近は転倒が多くなってきたとのこと。食事、水分はとれてる様子。
ROS:(-)頭痛、咳嗽、喀痰、咽頭痛、腹痛、下痢 (+)尿量増加
【ADL】杖歩行、トイレ、食事、着替え、入浴介助。軽度認知症(時間見当識(-)etc)
【既往歴】高血圧、痔 入院歴なし
【内服歴】ヘルベッサー、バルサルタン、便秘薬
【アレルギー】不明
【生活歴】 暮らし:息子夫婦と孫と4人暮らし
【既往歴】高血圧、痔 入院歴なし
【内服歴】ヘルベッサー、バルサルタン、便秘薬
【アレルギー】不明
【生活歴】 暮らし:息子夫婦と孫と4人暮らし
【身体所見/バイタルサイン】
JCS 3 GCS 14
E4V4M6
SpO2 96% (r.a.) RR 21 BP 175/92 HR 92 BT 39.3
頭頚部:リンパ節腫張なし、咽頭発赤・扁桃腫大認めず、
胸部:肺音 呼吸音 減弱/増強(-) 左右差(-) crackle(-)/wheeze(-)
腹部:平坦軟、蠕動音→、圧痛無し
背部:CVA叩打痛なし
神経:粗大な四肢麻痺無し、従命可能
【検査結果】
インフルエンザ陰性
胸部X線:明らかな異常陰影認めず。CP angle sharp/sharp
生化学/血算/凝固:WBC/CRP = 18800/19.2 MCV = 95.1
Hg/RBC/Plt/Hct = 11.9/3700000/136000/35.2
Na+/Cl-/K+/Ca2+ = 138/100/3.6/8.9
BUN/Cre/eGFR = 20.7/0.80/50.5 T-pro/Glu = 6.8/142
T-Bil/AST/ALT =1.15/28/12
LDH/CPK = 289/235
APTT/INR/D-dimer =
29.1/1.07/3.78
尿検査:WBC 2+ 亜硝酸 - 潜血 2+
腹部エー:腎盂拡張認めず
腹部CT:腎盂拡張、閉塞機転無し
尿Gram:陰性桿菌(莢膜有り/なし。両者有り)、白血球多数
【A/P】
#腎盂腎炎
病歴、血液・尿検査の結果と他に感染のフォーカスがないことより尿路感染症と診断した。腹部エコー、腹部CTより閉塞機転はない単純性と判断。尿Gram染色にて陰性桿菌(莢膜伴うもの、伴わない物混在)を認め、E.coli、Klebsiellaと推定し、セフトリアキソン1g q12hにて入院加療の方針とした。
JCS 3 GCS 14
E4V4M6
SpO2 96% (r.a.) RR 21 BP 175/92 HR 92 BT 39.3
頭頚部:リンパ節腫張なし、咽頭発赤・扁桃腫大認めず、
胸部:肺音 呼吸音 減弱/増強(-) 左右差(-) crackle(-)/wheeze(-)
腹部:平坦軟、蠕動音→、圧痛無し
背部:CVA叩打痛なし
神経:粗大な四肢麻痺無し、従命可能
【検査結果】
インフルエンザ陰性
胸部X線:明らかな異常陰影認めず。CP angle sharp/sharp
生化学/血算/凝固:WBC/CRP = 18800/19.2 MCV = 95.1
Hg/RBC/Plt/Hct = 11.9/3700000/136000/35.2
Na+/Cl-/K+/Ca2+ = 138/100/3.6/8.9
BUN/Cre/eGFR = 20.7/0.80/50.5 T-pro/Glu = 6.8/142
T-Bil/AST/ALT =1.15/28/12
LDH/CPK = 289/235
APTT/INR/D-dimer =
29.1/1.07/3.78
尿検査:WBC 2+ 亜硝酸 - 潜血 2+
腹部エー:腎盂拡張認めず
腹部CT:腎盂拡張、閉塞機転無し
尿Gram:陰性桿菌(莢膜有り/なし。両者有り)、白血球多数
【A/P】
#腎盂腎炎
病歴、血液・尿検査の結果と他に感染のフォーカスがないことより尿路感染症と診断した。腹部エコー、腹部CTより閉塞機転はない単純性と判断。尿Gram染色にて陰性桿菌(莢膜伴うもの、伴わない物混在)を認め、E.coli、Klebsiellaと推定し、セフトリアキソン1g q12hにて入院加療の方針とした。
◎高齢者が感染症にて立てなくなったり、意識が低下することはよくあることであるが、頭蓋内の問題や髄膜脳炎などが鑑別に挙がりながら検査を施行すべきかという問題にしばしば遭遇する。
結果的に立てなくなったことが、高齢+発熱という結論はよいが、病歴だけでは判断できないと思う。
この患者さんの場合は
筋力低下なのか筋力低下とすればどの筋肉の低下なのか?小脳なのか、後索の問題なのか?その辺りを“医師”として評価して初めて高熱で歩けないと判断してほしい。
でないと思わぬ罠にはまることがありますよ。
発熱はありますが、2次的に脳梗塞が起こっていないとも限らないのが高齢者ですし、脱力が以前から少しずつあったのであればそれなりの鑑別が広がることになります。
結果的には尿と血液培養から大腸菌が検出 腎盂腎炎が確定10日ほどで杖歩行で退院されました。
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