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課題の分離 [指導日記]

最近研修医と研修のあり方と教育法について話しました。研修医は教育者を選べないのでどうしても今の環境に対する評価になってしまうのだが、自分的には、私「知識を教えることなど限界がある、医療を行うための方法を教えたい」研「それって言葉で伝わるものではないでしょ?」私「そうだな、だからこそ診療のなかで学びとってほしい。」研「無理でしょ、そして無理なヒトは切り捨てるということですよね。」私「無理なら無理でしょうがないと思う、そこはよい大人なのだから課題の分離と考えている、さっきも君が言ったように言葉でいってつたわるものでもない。」


というような内容でした。方法とかプロフェッショナリズムだとか言葉で伝えようとした方がむしろ逆効果であることもあり、臨床を一緒にするなかでどこかにピンときたものがあったりその時は感じなくてもあとで思い出したり、ということを私は一番期待しているのですが、(彼らが言うように)なかなか伝わらないという自覚も確かにあります。


 


もちろん本人も基本的人格が大きく影響するのですが、自分自身の中から自分のスタイルを見つけていくヒント、もしくはいかにもんだいを解決するかの方法のヒントが与えられたらと考えています。


研修医は武器や、アイテムをもらえなかったという不満足感を抱くかもしれませんが、それこそ、そのアイテムを自分自身の中に完備する方法自体が今後彼らが自立していくための武器だと考えています。


 


 最近あった例からこのことを考えるヒントが得られるかもしれません。


 34才男性  伊東仙太


【主訴】発熱 咽頭痛 嚥下時痛


【現病歴】


生来健康 3日前より咽頭の違和感あり、37度の微熱あり。市販薬イブAにて対応していた。


2日前も倦怠感あったが仕事にいった。トローチにて対応していたが、咽頭痛は軽快しなかった。


本日咽頭痛が増強し来院。


唾液を飲み込むのも疼痛がある。


今回は左あごの付け根のあたりに違和感がある。 口内炎のようなものがのどにできた感じ。


鼻汁なし 咳嗽なし(咽頭違和感のため咳払いはあるが、咳はなく痰もからまない。)呼吸苦はなし


水分はとれているが食事摂取は困難。


sick contact】なし インフルエンザなし 2週間前に姉夫婦がインフルエンザ 


【既往歴】咽頭扁桃炎 アトピー 手術歴なし


【家族歴】特になし 内服歴なし


【生活歴】喫煙:15/×年、飲酒:なし


【アレルギー歴】薬(-)、食物(-


【現症】180cm95kg


意識:JCS:0、GCS15456


BT38.3℃BP139/76mmHgHR114/minSpO298%、RR:回/


(頭頸部)項部硬直なし jolt 陰性 neck flection陰性


眼瞼結膜:貧血(-) 眼球結膜:黄染(-)


瞳孔:正円同大、左右差なし 


咽頭:発赤() 口蓋垂偏奇(-) 扁桃腫大は軽度 明らかな白苔なし 頸部リンパ節:腫脹()、圧痛(+左顎下部~前頚部) 頚静脈怒脹(-)


(胸部)気道狭窄音なし


呼吸音:清、crackle(-)、左右差なし、努力様呼吸(-)


心音:regular-)、-)、no murmur 


(腹部)手術痕(-)、腸蠕動音→ 平坦軟、圧痛(-)


(四肢)下腿浮腫(-)、四肢冷感(-)腋窩乾燥(-CRT2


#咽頭扁桃炎


 発熱 咽頭痛 嚥下時痛を主訴に来院された。呼吸苦症状なく、急性喉頭蓋炎は否定的。


頭痛なく項部硬直なく髄膜炎も否定的である。


center criteria3点であり、上記と判断。以前にcenter criteria4点の扁桃炎罹患もあり、抗生剤と鎮痛薬にて経過を見ていただく。扁桃炎に関しては5日以上の抗生剤投与が必要であり、近医かかりつけの耳鼻咽喉科を受診するように説明した。扁桃周囲膿瘍や喉頭蓋炎といった頸部症状がある疾患もあるため呼吸苦が出現した場合はすぐに来院いただくように説明した。


サワシリンが3日分とロキソニンが処方されている。


 


 

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